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2026.10.03
【連載シリーズ(第5回/全10回)】「人事評価を"人づくり"のエンジンに ― 制度はある、問題は運用だ」

【第5回】なぜ評価は「真ん中」に偏るのか ― あいまい評価の正体


人事評価における最大の課題の一つが「中心化傾向」です。


つまり、ほとんどの評価が「標準(3評価)」に集中し、上位評価(4・5)も下位評価(2・1)もほとんど付かないという現象です。


なぜこれが問題なのか。


評価が一律であれば、努力して成果を出した人も、最低限のことしかしていない人も、同じ扱いになります。


頑張った人のモチベーションは下がり、改善が必要な人には改善のきっかけが与えられません。


結果として、組織全体のレベルアップが止まってしまうのです。


評価が真ん中に偏る原因は明確です。


多くの場合、評価者が「事実に基づいた評価」をできていないのです。


日常の中で部下の仕事ぶりを具体的に記録していなければ、期末になって思い出せるのは印象的な出来事だけ。


大半の項目は「まあ普通だったかな」となり、3に丸をつける。


これが中心化のメカニズムです。


この状況を変えるために有効なのが「事実の頻度管理」という手法です。


部下の仕事ぶりについて、特筆すべき事実を日常的に記録し、評価項目ごとに整理する。


期末にはその記録を見ながら、事実に基づいて「恒常的にどのレベルで能力を発揮していたか」を判断します。


評価に自信が持てないから真ん中にする。


この悪循環を断ち切るのは、日々の記録の積み重ねです。


地道ですが、これ以外に近道はありません。

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