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2026.10.31
【連載シリーズ(第9回/全10回)】「人事評価を"人づくり"のエンジンに ― 制度はある、問題は運用だ」

【第9回】評価基準は「階層別」に定義する ― 「頑張っている」では評価できない


人事評価でよく起きるトラブルに、「自分では頑張っているのに、評価が低い」という不満があります。


上司と部下の評価が食い違う原因は、多くの場合「評価基準の認識のズレ」にあります。


このズレを解消する鍵が、「階層別の評価基準」を明確にすることです。


たとえば、同じ「標準的な仕事ぶり(3評価)」でも、その中身は階層によって大きく異なります。


若手職員にとっての「標準」は、指示を受けて基本的な業務を単独で遂行できること。


中堅になれば、従来型の業務を自己完結し、組織的な提案や改善ができること。


管理職層では、非定型の判断業務をこなし、部下を指導育成し、組織の方針を浸透させることが「標準」です。


つまり、「一生懸命やっている」ことと「求められる基準を満たしている」ことは別物です。


若手の頃は一生懸命に取り組むこと自体が評価されますが、経験を積むにつれて、求められるのは「努力」ではなく「成果と影響力」へとシフトしていきます。


この基準を、期初の面談で上司と部下が共有しておくことが極めて重要です。


「あなたのポジションでの3評価はこのレベル、4評価はここまで求めます」と具体的にすり合わせておけば、期末の評価で「聞いていない」「納得できない」という事態を大幅に減らすことができます。


「頑張り」ではなく「求められる役割をどの程度果たしたか」で評価する。


そのために、階層ごとの「標準」を言語化しておくこと。


これが評価の納得性を高める最も確実な方法です。

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