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2026.10.10
【連載シリーズ(第6回/全10回)】「人事評価を"人づくり"のエンジンに ― 制度はある、問題は運用だ」

【第6回】「事実で語る」評価が納得性を生む ― 記録と観察の技術


前回、評価の中心化傾向を防ぐ鍵は「事実の記録」にあるとお伝えしました。


では、具体的にどのように事実を集め、評価に活かせばよいのでしょうか。


まず大切なのは、「記録の集中日」を設けることです。


毎日細かく記録するのは現実的ではありません。


週1回や隔週の定期ミーティング、月次の進行管理の場を「記録のタイミング」と決めておけば、無理なく続けられます。


すでにある日報、報告書、会議録なども、意識して見れば事実の宝庫です。


次に重要なのは、成果だけでなく「プロセス」にも目を向けることです。


仕事の結果に至った理由や原因を、日常の業務プロセスの中で把握する。


長所は伸ばし、改善点は手を打つ。


この「プロセス管理」の視点があるからこそ、評価は育成につながります。


そしてもう一つ見落とされがちなのが、「本人からの情報収集」です。


上司の観察だけでは、部下の仕事の全体像はつかめません。


面談や自己評価の場で、本人の視点からも事実を補完する。


「この件はどう対応したの?」「どこが難しかった?」と、あいまいな部分を確認する姿勢が大切です。


記録は「評価のため」だけのものではありません。


事実を集める過程そのものが、部下への関心を示すことになり、信頼関係の構築につながります。


「上司はちゃんと見てくれている」。


この実感が、職員のエンゲージメントを高める最大の要因の一つなのです。

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